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星空新着情報 Starry News

【2022年】10月の天文現象

投稿日
2022.09.30
カテゴリー
星空情報

クレジット:国立天文台

10月に入って、日の入りの時刻がずいぶん早くなったことを実感するようになりました。
が暗くなって間もない頃は、空の高い位置にまだ夏の大三角が見えています。一方で、東の空は秋の星座たちが占めるようになりました。
今月は惑星に関連した天文現象に注目しましょう。日が暮れると南の空に土星と木星が見えます。
5日から9日にかけて、この2つの惑星に月が近づきます。9日には水星が西方最大離角を迎え、明け方の東の空で比較的見やすくなります。また、宵に東の空から昇ってくる火星が明るく目立ってきました。14日に月が火星に接近します。

月が土星、木星に接近

10月上旬、とっぷり日が暮れた頃、南の空には土星が、南東の空には木星が見えています。
0.5等前後の比較的穏やかな輝きの土星と、マイナス2.9等前後で強く輝く木星は、明るい星の少ない秋の星座を背景に存在感を放っています。
土星と木星の中間あたりを下にたどると、みなみのうお座の1等星フォーマルハウトも見つかります。

10月5日から9日にかけて、この2つの惑星に月が近づきます。
5日には、2日前に上弦を迎えた月が土星の下に見えます。翌6日の夜には、月は土星の左まで移動します。
それから2日間経ち8日になると、月は今度は木星に近づきます。さらに翌9日になると、木星の左下に移動します。
10日に満月となる月は大変明るく輝いていますが、木星もそれに負けない強い光を放っていて、大変目を引く眺めになります。

水星が西方最大離角

水星が10月9日に西方最大離角となります。東京では6日から13日までの約1週間、日の出30分前の高度が10度を超えるため、水星を見つけやすくなります。

地球よりも内側の軌道を公転している水星は、見かけの位置が太陽から大きく離れることがありません。
そのため、水星を観察するチャンスは、日の出前か日の入り後のわずかな時間に限られます。
「最大離角」の頃には水星が見かけ上太陽から最も大きく離れるため、観察の好機となります。

東の方角が開けている場所で、真東からほんの少し南(右)寄りの低空にある水星を探してみてください。
空がまだ暗いうちから探し始めると、見つけやすいかもしれません。
残念ながら、近くには他に目安になる天体はありません。双眼鏡を使うと水星を見つけやすくなります。
ただ、水星を追いかけるように太陽が昇ってきます。明るい太陽を双眼鏡で見てしまわないよう、日の出より前に観察を終えるようにしましょう。

9日を過ぎると水星の高度は徐々に低くなっていきますが、水星の明るさは徐々に明るくなっていきます。
空の状況などによっては、最大離角を過ぎた時期のほうが水星を見つけやすいかもしれません。

月が火星に接近

10月の夜半前、東の空では明るくなってきた火星が存在感を増しています。
14日の夜には、月が火星に近づいて見えます。マイナス0.8等の赤い火星は、明るい月の光に埋もれることなく輝いて見えるでしょう。
これまで火星をあまり意識していなかった人は、この機会に火星の位置を知ることができます。

火星と月は時間が経つにつれて高度を上げていき、薄明が始まる頃には天頂(頭の真上)近くに達します。
また、火星と月の見かけの距離も時間が経つにつれて小さくなっていきます。
ずっと見続けていても距離の変化はわかりませんが、何時間か時間をおいて観察すると、火星と月の距離が縮まっていくのがわかるでしょう。
月が、他の天体に比べるととても速く動いているのが実感できます。

15日の夜も月と火星の接近を楽しむことができます。
前日とは位置関係が変わっていることに注目してみましょう。
今後、火星は12月1日の地球との最接近に向けてますます明るさを増し、10月末には、マイナス1.2等に達します。



(※国立天文台の記事を一部転載しております)

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