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【2022年】8月の天文現象 -夏の大三角-
- 投稿日
- 2022.07.31
- カテゴリー
- 星空情報
クレジット:国立天文台
8月の宵のころ、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブが描く「夏の大三角」が空高く輝いています。
十分に暗い空ならば、夏の大三角を通り南の低い空へと続く天の川の淡い光も見えることでしょう。
ペルセウス座流星群は、13日未明に見ごろを迎えますが、満月近くの明るい月明かりに邪魔され、見える流星は例年より少なくなりそうです。
土星は、15日に衝となり、観察しやすい時期を迎えます。
ペルセウス座流星群が極大
今年のペルセウス座流星群の活動は8月13日10時頃に極大を迎えると予想されています。
ただし、今年は8月12日が満月のため、ほぼ一晩中明るい月明かりがあり、観測条件が良くありません。
見える流星の数は、例年よりもだいぶ少なくなりそうです。
普段より目立って多くの流星を見ることができるのは、11日の夜から13日の夜までの3夜で、このうちの12日の夜に最も多くの流星が出現すると予想されます。
いずれの夜も、21時頃から流星が出現するようになり、夜半を過ぎて薄明に近づくにつれて流星の数が多くなると予想されます。
最も多く流星が見られるのは、13日の夜明け近くと考えられ、このときに空の暗い場所で観察した場合の流星数は、1時間あたり30個程度と予想されます。
例年よりも数が多くなく残念ですが、ペルセウス座流星群では月明かりに負けない明るい流星も出現しますので、期待しましょう。
なお、昨年の2021年は、極大の約1日半後に、例年の極大時の2倍以上に達する予想外の活動が観測され話題となりました。
今年、2022年に地球が同じ位置関係となるのは、14日深夜23時台です。
2021年と同じような予想外の極大が起こる可能性は高くはありませんが、予想のできない活動もありうるということを頭に入れて観察するのもよいでしょう。
流星は、放射点を中心に放射状に出現します。
土星が見頃、月が土星に接近
環のある惑星として人気のある土星が、8月15日に「衝(しょう)」となり、観望の好機を迎えます。「衝」とは、太陽系の天体が、地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことです。太陽が沈むころに東の空から昇り、日の出の頃に西の空に沈むので、一晩中観察することができます。
土星の環は小さな望遠鏡でも十分確認でき、その興味深い姿を楽しめます。チャンスがあればぜひ、望遠鏡で眺めてみてください。
土星が衝を迎える前の8月11日から12日にかけて、月が土星に接近して見られます。より近づいて見える12日は、ちょうど満月の日。まん丸く明るい月と比べるとだいぶ控えめに輝く土星ですが、2つの天体が並ぶ様子をお楽しみください。
月が木星・火星に接近
8月12日から13日にかけて土星と接近した月は、15日に木星、19日に火星と相次いで明るい惑星に近づいていきます。
この時期の木星と火星は、地平線から昇ってくる時刻で比べると2時間半近く違うぐらい離れているのですが、月はその間をわずか4日で移動してしまいます。
惑星の位置と月の位置を比べながら毎日観察すると、月が移動していく速さを体感することができるでしょう。
(※国立天文台の記事を一部転載しております)