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星空新着情報 Starry News

【2024年】7月の天文現象

投稿日
2024.06.30
カテゴリー
星空情報


夏至を過ぎたばかりで日の入りの遅い7月上旬、ようやく暗くなった空では、南西の高い位置に春の大三角が、東の低い位置に夏の大三角が見えています。

下旬になると、春の大三角はぐっと低くなり、対照的に頭上高くまで昇った夏の大三角や南の空のさそり座が見つけやすく、夏の到来を感じる空となります。

夜半前には東の空から土星が昇ってきます。土星が南中する明け方には、東の空に火星と木星が相次いで現れます。

土星は25日に土星食を起こしますが、白昼、青空の中の現象のため観察には向きません。



火星、木星と並ぶ明け方の月


夜明け前の東の空で、火星の高度がしだいに高くなってきます。

7月上旬の明るさは1等級で、はっきりと赤い色合いがわかります。低空には、木星も姿を現すようになってきました。

こちらはマイナス2等級という明るさで、高度が上がるにつれてその存在感が際立っていきます。日の出が近づくにつれて白んでいく空に他の星が埋もれていく中でも、木星は最後まではっきりと見えるでしょう。

2日に、細い月が火星に接近して見えます。3日には、月のすぐ近くにプレアデス星団(おうし座にある散開星団M45、日本では古くからの名称「すばる」として知られる)が見えます。月は、4日にかけて木星を越えて北東寄りの低空に移動していきます。

この数日の光景を見ていると、地球の周りを公転し、西から東に向かって1日で大きく位置を変えて見える月の動きが、惑星が基準となってよくわかります。また、6日の新月(朔)に向かって日毎に細く欠けていく月の変化も面白いものでしょう。


月が土星に接近


7月の夜更けには、東の空から土星が昇ってきます。

土星が南中を迎える未明の南の空には、ちょうど秋に見られる星座が広がっており、明るい恒星と言えばやや低いところに輝く1等星フォーマルハウト(みなみのうお座)のみ。その中で、1等級を上回るしっかりとした明るさで中空に昇った土星は、よく目立っているでしょう。

25日には、この土星に月が接近します。満月から3日ほど過ぎたばかりの月はまだ十分明るく、さすがの土星もやや目につきにくいかもしれませんが、薄明が始まるまで、双眼鏡の視野で同時に見ることができます。



ひと月で巡る月が再び火星、木星に接近


7月の夜明け前の東の空には、約1等級の火星とマイナス2等級の木星が見えています。

7月の初めにこの2つの惑星の近くを通過した月は、約27日の周期で天球上を1周し、月末に再び近くに戻ってきます。

30日に、月はプレアデス星団(おうし座にある散開星団M45、和名「すばる」)と双眼鏡の同一視野で見られる程度に接近します。この日は、月は赤く輝く火星の西側に見えています。

31日になると、東に進んだ月は火星を通り越して木星と並んで見えます。

明るい惑星と欠けた月の会合は、夜明け前の空で目を楽しませてくれる情景です。そうであると同時に、およそ1カ月弱で繰り返す位置関係から、地球の周りを公転する月の移動や恒星や惑星が日々少しずつ早く昇るようになることに気づく機会にもなることでしょう。




(※国立天文台の記事を一部転載しております)


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