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【2024年】12月の天文現象
- 投稿日
- 2024.11.30
- カテゴリー
- 星空情報
今回は見やすい夕方の土星食
12月上旬、太陽が沈んで暗くなり始めた空で、土星が南中しています。8日には、上弦直前の月がその土星を隠す「土星食」が起きます。2024年には、日本では7月25日の日の出後にも土星食が見られますが、青空での観察は困難です。今回、12月8日の土星食は、日の入り後に暗くなっていく空で起こるため、明るい惑星が月に隠される様子を日本の広い範囲で見ることができます。
月明かりに負けない明るい流れ星を観察しよう
2024年のふたご座流星群の活動は、12月14日10時頃に極大を迎えると予想されます。今年は12月15日が満月で、ほぼ一晩中明るい月明かりの影響を受けるため、暗い流星が見えづらくなり観察の条件は良くありません。
とは言え、明るい流星も多く流れるふたご座流星群ですので、12月12日夜から12月15日明け方までの3夜は、普段よりも多くの流星を見ることが期待できます。最も多く流れ星が見られるいわゆる極大夜は、12月13日夜から14日明け方にかけてでしょう。
13日の夜は、21時頃から流星の数が増えていき、14日0時頃に空の暗い場所で観察した場合、1時間あたり30個程度の流星が見られそうです(東京付近の場合、以下同じ)。さらに14日3時から5時頃には、見られる流星の数が1時間に約40個に達することが期待されます。
極大夜の前日にあたる12月12日夜は、夜半過ぎから見られる流星が増えそうです。空の暗い場所で観察した場合、13日3時から5時頃に1時間に約20個の流星が見えるものと予想されます。また極大夜の翌日となる12月14日夜は、突出して多く見られる時間帯はなく、14日21時から15日5時まで、1時間あたり10個から15個程度の流星を観察できることでしょう。
未明の空で春の輝星を月が隠す
冬至が過ぎ、冬本番を迎える12月下旬、未明の東の空には早くも春の星座が姿を現します。25日の未明、おとめ座の1等星スピカが月に隠される「スピカ食」が起こります。2024年に日本から見られるスピカ食は、8月10日の夕刻に次いで2回目です。
今回のスピカ食は日本の広い範囲で見ることができますが、渡島半島南部を除く北海道の大部分では食とならず、月とスピカの接近だけとなります。
この日の月は、下弦を過ぎて半月よりもやや欠けています。スピカは3時過ぎに、月の光っている側の縁(明縁)から月に隠されます(潜入)。この時は、スピカが1等星であるとは言っても、月面の強い輝きに負けて肉眼では視認するのが難しいかもしれません。双眼鏡や望遠鏡を使うと観察しやすいでしょう。 スピカが再び現れるのは(出現)、月の暗い縁(暗縁)からとなり、この時は月の欠け際から離れた暗い場所から、忽然と星が現れる様子が見やすいでしょう。
(※国立天文台の記事を一部転載しております)