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星空新着情報 Starry News

【2022年】11月の天文現象

投稿日
2022.10.31
カテゴリー
星空情報

クレジット:国立天文台

11月の宵空には、夏から秋の序盤にかけて見頃を迎えた土星と木星が、引き続き目立っています。
夜が更けてくると南西に傾く二つの惑星に代わって、火星が頭上高くまで昇ってきます。
12月の最接近を控え、ぐんぐん明るさを増していく赤い輝きが際立ちます。
11月に最も注目したい現象は、8日に起こる皆既月食です。日本全国で欠け始めから欠け終わりまでを見ることができます。
月食の最中には天王星食も起こります。皆既食で赤銅色になった月の向こうに天王星が隠れる様子の観察にも挑戦してみたいところです。

月が土星、木星に接近

11月の宵、20時頃の南の空には土星と木星が輝いています。
土星は0.7等前後の比較的穏やかな輝きで南西の空に傾きかけ、夜半には沈んでいきます。
南中を迎えようとする木星はマイナス2.8等前後という一段と鋭い光で、明るい星の少ない秋の星座の中で飛びぬけて目を引いています。

11月の初旬には、離れて並ぶ2つの惑星の近くを月が通り過ぎていきます。
1日に上弦の月が土星に近づき、一日ごとに満ちながら東へと移動して、5日には木星の東まで通り抜けます。

皆既月食・天王星食

11月8日の夜、皆既月食が起こります。
この月食は、日本全国で観察することができます。
南西諸島では部分食の始まり時点での月の高度がまだ低いですが、多くの地域で月の高度がある程度高くなる時間帯に皆既食となり、観察しやすいでしょう。

各地での予報は下の表のとおりです。
月は、18時9分から欠け始め、19時16分に皆既食となります。
皆既となった月は、「赤銅色」と呼ばれる、赤黒い色に見えます。
皆既食は86分間続いて20時42分に終わり、その後は徐々に月は地球の影から抜けて、21時49分に部分食が終わります。
この進行は、どこで見ても同じです。

月が火星に接近

12月に地球に最接近する火星が、夜半前の東の空で輝いています。
昇ってくる冬の星座の明るい恒星の中にあっても、群を抜いた明るさと赤い色で目を引きます。
おうし座のアルデバラン、オリオン座のベテルギウスと火星、三角形を形づくって見える色合いの似た恒星と惑星の共演も楽しみましょう。

11日には、月が火星の近くを通ります。最も接近するのは夜半前で、およそ2度の離角(月の視直径の4倍程度)まで近づきます。
満月を過ぎた月はまだ明るく、周囲の星をかすませますが、マイナス1.5等に達する火星はその明るさにも負けず、月と並んで見えるでしょう。

月が土星、木星に接近

薄明が終わる頃、南の空やや低いところに、みなみのうお座のフォーマルハウトが南中しています。
秋の夜空で唯一の1等星として、孤独な印象から「南のひとつ星」とも呼ばれてきた星ですが、今年は、南東寄りの高いところに木星、そして南西寄りには土星、二つの明るい惑星が加わっています。
その近くを、11月の終わりから12月の初めにかけて月が通り過ぎます。
29日には、0.8等で輝く土星の南側(見た目では左下側)を月が通っていきます。上弦の前日で半分よりやや欠けた月と土星は、22時頃に並んで沈んでいきます。
さらに東へと移動していく月は、12月の初めにかけて、マイナス2.6等の木星へと近づいていきます。


(※国立天文台の記事を一部転載しております)

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