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【2022年】6月の天文現象 -惑星が勢ぞろい-
- 投稿日
- 2022.05.31
- カテゴリー
- 星空情報
クレジット:国立天文台
2022年6月の星空情報です。
日の入りの時刻が1年で最も遅くなるのが6月の終わり頃です。
空が暗くなると、春の星座は西に傾いており、東の空には入れ替わるように夏の星座が昇ってきます。
中旬から下旬にかけて、明け方の空にすべての惑星が勢ぞろいします。
惑星のうち肉眼で簡単に見ることができるのは、水星、金星、火星、木星、土星の5つです。
その中で見ることが最も難しい水星が、16日に西方最大離角となって比較的見やすくなります。
惑星が勢ぞろい
クレジット:国立天文台
6月中旬から下旬にかけて、明け方の空に全ての惑星が勢ぞろいします。
夜間に全ての惑星が地平線の上にある機会はなかなかありません。
例えば6月18日の日の出1時間前には南の空に月があり、そこから東の地平線に向かって、土星、海王星、木星、火星、天王星、金星、水星が並びます。
肉眼で容易に見える明るさなのは、水星、金星、火星、木星、土星の5つです。
大変良い機会ですので、肉眼でこれら5つの惑星を一目で見ることに挑戦してみましょう。
ただし、水星は地平線からの高度が低いため、見つけるのが少し難しいかもしれません。
海王星は約8等と大変暗いため、残念ながら肉眼では見ることができません。
海王星を見るには、事前に正確な位置を知ってそこに望遠鏡を向けることが必要です。
また、天王星の明るさは約6等で、目の良い人が夜空の暗い場所で観察すればなんとか見ることができる明るさです。
双眼鏡や望遠鏡を使うと、より見つけやすいでしょう。
もちろん、正確な位置を知っておく必要があります。
望遠鏡などをお持ちの方は、天王星や海王星を見つけることにも挑戦してみてはいかがでしょう。
惑星たちは、夜空にほぼ直線状に並んでいるのがわかります。
これは、惑星が太陽の周りのほぼ同じ平面上を公転していて、それを、やはり同じ平面上にある地球から見ているためです。
また、毎日観察すると、月が惑星に沿って日に日に東側に移動していくのがわかります。
月が地球の周りを公転する平面も、惑星が公転している平面とほぼ同じであるため、月は惑星の近くを通って移動していくように見えるのです。
水星が西方最大離角
クレジット:国立天文台
6月中旬から下旬にかけて日の出直前の東の低空に水星が姿を見せています。
水星は、太陽系の一番内側を公転している惑星です。
このため見かけの位置が太陽から大きく離れることがなく、水星が見つけやすくなる時期は、太陽からの見かけの距離が大きくなる「最大離角」前後に限られています。
水星は16日に西方最大離角を迎えますが、今回は、高度が高くなって見やすくなるのはそれより少し後の期間です。
今回東京では日の出30分前の水星の高度が、観察しやすい目安となる10度を超えることはありません。しかし、6月18日から27日までの間は8度を超えます。
他の地域でも大きな違いはなく、この期間は水星を見るのに比較的良い時期となります。
また、27日以降は水星の高度が8度を下回ってだんだんと低くなっていきますが、明るさは徐々に明るくなりますので、空の状況などによっては、見つけやすいかもしれません。
山や高い建物等で視界が遮られていると、空の低い位置までを見渡すことができません。
低空にある水星を見つけるためには、山や高い建物等で東の空の視界が遮られていない場所を選びましょう。
加えて、低空に雲のない、よく晴れた日が観察に適しています。
水星探しは、空がまだ暗いうちから始めましょう。
水星の高度は低いものの、地平線近くまで晴れていれば、空が暗いほうが水星を見つけやすいはずです。
水星よりずっと明るい金星が近くにありますので、まず金星を見つけ、金星の左下を探すと見つけやすいでしょう。
また、双眼鏡を使うと水星を探しやすくなります。双眼鏡を使う際は、太陽を見ないよう、日の出前に観察が終わるよう注意してください。
6月の中旬から下旬にかけては全ての惑星が明け方の空に勢ぞろいしています。肉眼で見つけやすい水星、金星、火星、木星、土星を同時に見ることに挑戦してみましょう。今回の西方最大離角では水星の高度があまり高くないため、水星を見つけるのは簡単ではないかもしれません。しかし、いちばん難しい水星を見つけることができれば、5つの惑星を同時に見ることはそれほど難しくはないはずです。
(※国立天文台の記事を一部転載しました。)