星空新着情報 Starry News
【2024年】9月の天文現象
- 投稿日
- 2024.08.31
- カテゴリー
- 星空情報
土星が衝(9月8日)
環(わ)のある惑星として人気のある土星が、9月8日に「衝(しょう)」となり、観望の好機を迎えます。
衝とは、太陽系の天体が地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことです。衝の頃の土星は、日の入りの頃に東の空から昇って真夜中に南中し、日の出の頃に西の空に沈むため、一晩中見ることができます。
衝の頃の土星は、0.6等の明るさがあります。秋の星座の領域にある土星は、周囲に明るい星も少なく、見つけやすいため、ぜひ夜空に探してみてください。
名月が満月とは限らない
2024年の中秋の名月は、9月17日です。「中秋の名月」とは、太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のことを指します。
中秋の名月をめでる習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われています。
日本では中秋の名月は農業の行事と結びつき、「芋名月」などと呼ばれることもあります。
ここ数年、中秋の名月と満月は同じ日でしたが、今年は9月17日が中秋の名月、翌18日が満月と日付が1日ずれています。
太陰太陽暦では、新月(朔)の瞬間を含む日が、その月の朔日(ついたち)になります。今年は9月3日(新月の瞬間は10時56分)が太陰太陽暦の8月1日、9月17日が太陰太陽暦での8月15日となります。一方、天文学的な意味での満月(望)は、地球から見て太陽と反対方向になった瞬間の月のことを指します。満月の時刻は、9月18日11時34分です。 今年のように、中秋の名月と満月の日付がずれることは、しばしば起こります。
次に中秋の名月と満月が同じ日付になるのは2030年です。
また、今回は中秋の名月の近くに土星が見えます。満月に近い月は、とても明るいため、土星(0.6等)はやや見づらいかもしれません。
お月見の際は、土星も気に留めてみてください。
そして、太陰太陽暦の9月13日の夜を「十三夜」と呼び、日本ではその夜にもお月見をする習慣があります。
十三夜は、「後(のち)の月」「豆名月」「栗名月」とも呼ばれます。今年の十三夜は、10月15日です。
月と2惑星の接近に注目!
9月は、木星と火星が夜遅くに東の空から昇り、日の出前には南東の空の高いところに見えます。
9月23日から26日にかけて、月が木星、火星のそばを通り過ぎていきます。24日に木星の近くに見えた月は、25日に下弦となり、木星と火星の間に位置しています。マイナス2.4等の木星は明るい半月のそばでも負けじと輝いて見えるでしょう。木星に比べて0.5等と穏やかな輝きの火星は月の明るさによって見えづらくなるかもしれません。月や木星との位置関係を手掛かりに火星を探してみてください。
(※国立天文台の記事を一部転載しております)